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講座を学ばれるかたへ

 このたびあなたは聖書の研究を希望し、わかりやすい聖書講座の研究生となられましたことをお慶び申し上げ、心から歓迎いたします。
この講座は1947年に預言の声聖書通信講座としてセブンスデーアドベンチスト教団にて開講され10万人以上もの人々がこの講座を通して聖書の世界に触れてきました。日本でもっとも歴史のある聖書通信講座の一つであるだけでなく、全世界にわたるもので約70の言葉で発行されています。現在e.seisyo.netからも同様の講座を受講することは可能ですが、初期の聖書講座を希望する声も高く、あくまでも個人的に学ぶ聖書題材として提供させていただいております。
 どうかあなたも最後まで研究され、豊かな人生をきずく土台となさるようにお祈りいたします。

研究者心得

  1. 本講座は聖書研究の助けとして全36課あります。テキストも3巻に分けて随時紹介していく予定となっています。サンライズミニストリーストアからご購入いただけます。1巻のお求めはこちらから。
  2. 研究をなさるときにはいつも、まず神の助けを祈ってからはじめて下さい。
    祈りは別にきまった型はありません。人に話すように神に話すのです。例えばこの講座の研究を始める時には、「神さま、ただいまから聖書の研究をいたしますから、その意味がよく分かるように助けて下さい。イエス・キリストの名によってお祈りいたします。アーメン」とお祈りいたします。アーメンというのは、元来ヘブル語で、「確かに」「まことに」などの意味です。
     祈りの時アーメンというのはこの祈りを心から、いつわりのない気持ちでささげますという意味です。他人の祈りに同感し、自分もそのように祈る気持をあらわす時もアーメンといいます。
  3. この講座は聖書研究をなさる助けとしてのものですから、できるだけ聖書と照らし合わせて研究してください。
  4. しっかり研究して終了まで頑張ってください。きっと神の恵みが豊かにあります。そして研究しているうちに神への感謝の気持ちから献金なさることは自由です。それは神の働きをささえ、多くの人に神の恵みをおわかちすることになるのです。

お願い

 あなたがこの講座を研究なさって、よい研究であるとお思いになりましたなら、お友達や知人のかたにも、勧めて下さい。

「ある金持ちの畑が豊作であった。そこで彼は心の中で、『どうしようか、わたしの作物をしまっておく所がないのだが』と思いめぐらして言った、『こうしよう。わたしの倉を取り壊し、もっと大きいのを建てて、そこに穀物や食糧を全部しまい込もう。そして自分の魂に言おう。たましいよ、お前には長年分の食糧がたくさんたくわえてある。さあ安心せよ、食え、飲め、楽しめ』。すると神が彼に言われた、『愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか』。自分のために宝を積んで神に対して富まない者は、これと同じである」(ルカによる福音書12章16-21節)。

 これは聖書にでているキリストのたとえ話です。

 この農夫のしたことをあなたはどうお考えになりますか。彼は成功した農夫でした。朝も早く起きて勤勉に働き、彼の農場には豊かな収穫があったのです。そして彼は思慮深く将来の計画を立てました。彼の生活の設計はりっぱなものでした。しかしキリストは、彼を愚かな者と言われたのです。彼はどんな点で愚かだったのでしょうか。
 
 まず彼は、自分の人生というものをほんとうに理解していませんでした。人生は、彼が計画を立てたようにいつまでも長い将来があるというものではなかったのです。「きょうであなたの生涯は終わりです」と言われる日があることを忘れていたのです。もちろんそのことを知らなかったというのではないでしょうが、それを自分の生活の設計の中に入れていなかったのです。そして準備のないまま、人生のきびしい現実に直面したのです。

 キリストは、人生の計画に神を省略した人の愚かさをお示しになりました。神のない人生は、たとえそれが成功し、額に汗して蓄えたものによって、将来に対する安定が得られたように見えても、たちまちその計画を根底からくつがえすようなことが起こってくるのです。その時になってあわてても、もう間に合いません。この農夫はかしこい成功者のように見えましたが、その夜、彼が冷たいなきがらとなって横たわったとき、彼の建てた大きな倉も、その中に蓄えた、何十年もの生活を保証する食糧も、彼の住んでいた大きな家も、それを取り巻く広い農場も、彼にはなんの助けにもならなかったのです。

 彼の愚かさのもう1つの点は、人間の本当の生き方を知らなかったことです。彼の考えの中に神はなかったのですが、人もありませんでした。私の畑、私の穀物、私の倉、私の生活ということだけでいっぱいで、彼の周囲にいた困っている人々、あるいは彼の住む社会に対して、なんの責任も感じていなかったのです。このような人生は味気なく、つまらないものです。財産を所有しているように見えても、実は財産に所有されているような生活です。この世に生きていて、本当の生きる目標を見出していないことは、致命的な愚かさです。

 私たちの世界は今日いろいろな難しい問題を抱えています。人口、食糧、エネルギー、資源等の問題は将来に対して大きな危機感を与えています。政治も経済も教育もいい解決を与えてくれそうにありません。

 このような時代に希望を持って、明るく生きていくためには、もう1度人間とは何かを考え、人間の本質の上に立った生き方を考えることが必要ではないでしょうか。

 この講座では、人類の古典であり、今なおベストセラーの位置を保って多くの人に愛読されている聖書を土台として、人間の基本的な問題を考え、明るい明日への扉を開くカギを見いだしたいと思います。

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