Library Topへ 教課一覧へ 1課へ 3課へ

第2課 預言された世界歴史

神ご自身が未来を啓示することができると主張しています。

「いにしえよりこのかたの事をおぼえよ。わたしは神である、わたしのほかに神はない。わたしは神である、わたしと等しい者はない。わたしは終りの事を初めから告げ、まだなされない事を昔から告げて言う、『わたしの計りごとは必ず成り、わが目的をことごとくなし遂げる』と。」イザヤ46 : 9, 10

故に、成就した預言は、聖書が霊感の書であることの有力な証です。

1. 古代バビロンについて神は何と言われましたか

「国々の誉であり、カルデヤびとの誇である麗しいバビロンは、神に滅ぼされたソドム、ゴモラのようになる。ここにはながく住む者が絶え、世々にいたるまで住みつく者がなく、アラビヤびともそこに天幕を張らず、羊飼もそこに群れを伏させることがない。」イザヤ13 : 19, 20

2. 私たちは預言を理解することができるのでしょうか

「こうして、預言の言葉は、わたしたちにいっそう確実なものになった。あなたがたも、夜が明け、明星がのぼって、あなたがたの心の中を照すまで、この預言の言葉を暗やみに輝くともしびとして、それに目をとめているがよい。聖書の預言はすべて、自分勝手に解釈すべきでないことを、まず第一に知るべきである。」ペテロ第二1 : 19, 20

3. キリストは、ダニエルの預言に関して何と言われましたか

「預言者ダニエルによって言われた荒らす憎むべき者が、聖なる場所に立つのを見たならば(読者よ、悟れ)。」マタイ24 : 15

4. ネブカデネザルはなぜ思い悩みましたか

「ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。」ダニエル2 : 1(2 : 1-35を読む)

5. 王に、この夢を与えられたのはどなたですか

「しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起るべき事を、ネブカデネザル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。」ダニエル2 : 28

6. その夢は何を示そうとしていましたか

「王よ、あなたが床におられたとき、この後どんな事があろうかと、思いまわされたが、秘密をあらわされるかたが、将来どんな事が起るかを、あなたに知らされたのです。」ダニエル2 : 29

異教の誇り高き王に夢を通して示されたのは、おそらく目を覚ましているときであればできない、強い印象を与えるためであったでしょう。この預言は、最も驚くべき総括的な世界歴史を取り扱っています。

7. 金の頭はだれを象徴していましたか

「王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。」ダニエル2 : 37, 38(注1)

605B.C.~539B.C.

8. バビロンに続いて、何という王国が起こることになっていましたか

「あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。」ダニエル2 : 39, 40(注2)

9.銀の胸と腕は何を象徴していましたか

金の国、バビロンはどのように滅亡したかをダニエル5:2-28に読んで下さい。

「『ペレスは、あなたの国が分かたれて、メデアとペルシャの人々に与えられることをいうのです』。そこでベルシャザルは命じて、ダニエルに紫の衣を着せ、金の鎖をその首にかけさせ、彼について布告を発して、彼は国の第三のつかさであると言わせた。カルデヤびとの王ベルシャザルは、その夜のうちに殺され、メデアびとダリヨスが、その国を受けた。この時ダリヨスは、おおよそ六十二歳であった。」ダニエル5 : 28-31

10.メド・ペルシャはどれほどの間支配していましたか

539B.C.~331B.C.(アルベラの戦いにおいて敗北)

バビロンの次の帝国はメデアとペルシャであることが分かります。ダニエル8:20参照

11.銅は何を象徴していましたか

「あなたが見た、あの二つの角のある雄羊は、メデアとペルシャの王です。また、かの雄やぎはギリシヤの王です、その目の間の大きな角は、その第一の王です。」ダニエル8 : 20, 21

「第一の王」とはアレキサンダー大王のこと。ギリシャ帝国 331B.C.~168B.C.(ピドナの戦いにおいて敗北)

12. ギリシャの次に何と言う帝国が起こりましたか

ローマ帝国 168B.C.~476A.D.

「第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。」ダニエル2 : 40(注3)

13. 鉄の王国にどんな変化が起こることになっていましたか
「あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。」ダニエル2 : 41, 42(注4)

14. この王たちはどんな方法で自分たちを強めようとしましたか

各時代にわたってヨーロッパは再統一を企てました。

1.権力、政治政策によって

カール大帝(シャルルマーニュ・800A.D.頃)
カール5世(神聖ローマ帝国皇帝・16世紀)
ルイ14世(フランス国王・1643A.D.~1715A.D.)
ナポレオン(フランス皇帝・1804A.D.~1815A.D.)
ウィルヘルム2世(ドイツ皇帝・1888 A.D.~1918 A.D.)
ヒトラー、スターリン等々。
そして今日、EU(ヨーロッパ連合)は成功するように見えますが、神の言葉は失敗すると宣言しています。

2.婚姻政策によって

ヨーロッパの再統一が各王室間の婚姻政策によって試みられましたが、成功しませんでした。たとえばかつての大英帝国の全盛期、ビクトリア女王(在位1837~1901年)はヨーロッパ諸国の各王室との親戚関係によって「欧州の祖母」と呼ばれました。

「あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。」ダニエル2 : 43

15. この王たちの時代に、どんな永遠の王国が建てられることになっていますか

「それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。」ダニエル2 : 44

16. 夢の中で何がこの永遠の王国を象徴していますか

「一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです。」ダニエル2 : 45

17.キリストの王国が建設される前に、何が成し遂げられることになっていますか

「そしてこの御国の福音は、すべての民に対してあかしをするために、全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである。」マタイ24 : 14

注釈

【注1】
(ダニエル2 : 37, 38)エレミヤ27 : 1-11、神はネブカデネザルに王国をお与えになりました。エゼキエル26 : 7, 11、ツロの滅亡。エゼキエル29 : 18, 19、ツロを攻めた報いとして、バビロンにエジプトが与えられました。

【注2】
(ダニエル2 : 39, 40)エレミヤ51 : 11, 27, 28、バビロンの滅亡の預言。メデア人の名が挙げられています。イザヤ45 : 1-3、クロスの名が、彼の生れる150年前に述べられています。エレミヤ51 : 45, 46、神の子らに対する神のしるし。イザヤ47 : 5, 13、都の運命。ダニエル5 : 1, 28、歓楽の夜。エレミヤ51 : 14、軍隊の侵入。エレミヤ51 : 31, 32、王に報告が伝えられました。エレミヤ51 : 30、バビロンの軍隊が町の防衛に失敗。エレミヤ50 : 35, 37, 46;51 : 53-58イザヤ13 : 17-22、バビロンの滅亡。

【注3】
歴史家ギボンは次のように言っています。「共和国の軍は時々、ある戦いに負けることがあったが、全体として大勝利をおさめユフラテ川、ダニューブ川、ライン川、大西洋へと非常な速度で進んでいった。金、銀、銅で象徴される国々と王たちは、鉄のローマ帝国に次々と打ち破られた。」Edward Gibbon, Declineand Fall, Vol.3, p.161.

【注4】
この世界帝国ローマも、やがて経済的社会的に行き詰まり、そこにゲルマン民族の侵入という外圧が加わって、ついに紀元476年、西ローマ帝国は滅亡します。そしてヨーロッパは十の国々に分裂します。次の諸国が西ローマを占領しました。紀元351年にフランクがフランスを、アルマニイがドイツを占領しました。紀元406年にブルグンドがスイスを、スウェーヴがポルトガルを、ヴァンダルがアフリカの北部を占領しました。紀元408年に、西ゴートがスペインを、紀元449年には、アングロサクソンがイギリスを、紀元483年に、オストロゴスがイタリアを占領し、ロンバードとヘルリーも、それぞれイタリアの一部を占領しました。

Library Topへ 教課一覧へ 1課へ 3課へ