不沈船と箱船

2015年6月13日 icon_002200_16.pngTag: 池宮城 義浩


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マタイ24:37、ヘブル11:7、詩編127:1、黙示録13:16,17

  1. タイタニック号の沈没の物語を通して、人の無力さを学ぶ。
  2. ノアの箱船は不沈船であったが、特別な神の守りがあったからであった。
  3. 終わりの時代、神は「田舎に出よ」といわれている。「小さな悩みの時」の時間を小さな畑をもって人々を養ってくださる。しかし、人の努力によってではなく、これも神の恵みによって成し遂げられる。
    最後の警告を発すると同じに、畑を耕して、自分が信じていることを実践するのである。

【礼拝説教内容】題:「不沈船と箱船」話:池宮城義浩

Ⅰ. タイタニック号

タイタニック(RMS Titanic)は、20世紀初頭に建造された豪華客船である。
処女航海中の1912年4月14日深夜、北大西洋上で氷山に接触、翌日未明にかけて沈没した。犠牲者数は乗員乗客合わせて1,513人(他に1,490人、1,517人、1,522~23人など様々な説がある)であり、当時世界最悪の海難事故であった。

不沈船
ホワイト・スター・ラインは当時白熱していた北大西洋航路における「ブルーリボン賞」と呼ばれるスピード競争にはあまり関心を示さず、ゆったりと快適な船旅を売り物としていた会社であった。したがって、タイタニックもスピードより設備の豪華さに重点を置いて設計されていた。また、当時としては安全対策にも力が入れられており、防水区画が設けられていた。

船底は二重底になっており、船体も喫水線(水面)上までの高さがある防水隔壁で16の区画に区分されていた。そのうちの2区画(船首部では4区画)に浸水しても沈没しない構造になっており、Gデッキより上の隔壁こそ手動であったが、下層デッキの隔壁は船橋(ブリッジ)からの遠隔操作で即時閉鎖できた。各区画にも手動スイッチが設置されていた他、15cm以上の浸水時には自動的に閉鎖される機能も備わっていた。そのためタイタニックは「不沈船」として喧伝され、現に現在から見ても本船は極めて安全な船であると言われている。

1912年4月10日に、タイタニックはイギリスのサウサンプトン港にある専用の埠頭であるオーシャンドックからニューヨークへとむけた処女航海に出航した。エドワード・J・スミス船長の指揮下のもと乗員乗客合わせて2,200人以上を乗せており、一等特別室は、6日の航海の費用4,350ドルと伝えられている。

サウサンプトン港出航の直前、ワイルド航海長の着任に伴った上級船員の異動により、降格となったブレア前二等航海士が双眼鏡を二等航海士キャビンにしまったことをライトラー二等航海士に引き継がないまま下船してしまい、双眼鏡はそのまま行方不明となった。このため、周辺の監視を双眼鏡を使わずに肉眼で行うしか方法がなかった。さらにサウサンプトン港出航の際には、タイタニックのスクリューから発生した水流によって、客船ニューヨークと衝突しそうになったが、この時は間一髪で回避できた。そのままフランスのシェルブールとアイルランドのクイーンズタウン(現コーヴ) に寄港し、アメリカのニューヨーク港に向かった。

14日午前よりたびたび当該海域における流氷群の危険が船舶間の無線通信として警告されていた。少なくともタイタニックは同日に6通の警告通信を受け取っている。しかし、この季節の北大西洋の航海においてはよくあることだと見なされてしまい、航海士間での情報共有も徹底されなかった。さらに混信があり、衝突の40分前に近隣を航行するリーランド社の貨物船「カリフォルニアン」から受けた流氷群の警告も雑音として見過ごされてしまった。タイタニックの通信士たちは前日の無線機の故障もあり、蓄積していた旅客達の電報発信業務に忙殺されていた。スミス船長は氷山の危険性を認識しており、航路を通常より少なくとも18㎞南寄りに変更していた。

4月14日23時40分、北大西洋のニューファンドランド沖に達したとき、タイタニックの見張りが前方450mに高さ20m弱の氷山を肉眼で発見した。この海域は暖流と寒流がぶつかりちょうど境界面に位置するため、世界的にも海霧が発生しやすい海域として有名であり、タイタニック号が氷山に遭遇したころも直前まで海面には靄が漂っていた(当直見張員フレデリック・フリートの証言による)。また双眼鏡がなく(但し、双眼鏡自体は『遠くにある物を見る』機能しかもっていない為、タイタニック号が置かれた状況下では、あっても役に立たなかった可能性が高い)、月のない星月夜の海は波もなく静まり返っていたため、氷山の縁に立つ白波を見分けることも容易でなく、発見したときには手遅れだった(タイタニックの高さは、船底から煙突先端までで52.2m。氷山はその10%程度しか水上に姿を現さないので、水面下に衝突する危険が高い)。

回避行動
見張り員のフレデリック・フリートはただちに鐘を3回鳴らし、ブリッジへの電話をつかんだ。応答したのはジェームズ・ポール・ムーディ6等航海士だった。
フリート「Is anyone there?(訳:だれかいないのか?)」
ムーディ「Yes, what do you see? (何があったんだ?)」
フリート「Iceberg rightahead! (前方に氷山がある!)」
ムーディ「Thank you. (わかった。)」

ムーディはただちに指揮を執る一等航海士のウィリアム・マクマスター・マードックに報告した。マードックは即座に「Hard starboard!(取舵一杯)[3]」と操舵員のロバート・ヒッチェンスに叫び、それからテレグラフ(機関伝令器)に走ると、「Full Astern(後進一杯)」の指令を送り、喫水線下の防水扉を閉めるボタンを押した。だが、回避するにはあまりにも時間と距離が足りなかった。氷山まではおよそ400~450mであったが、22.5ノット(およそ秒速11.6m)から停止するまでに、実に1200mもの距離が必要だったからである。船首部分は回避したが、船全体の接触は逃れられなかった。氷山は右舷をかすめ、同船は停止した。

※その後、数時間の内にタイタニックは海の藻屑となって大海に沈んだ。

Ⅱ. ノアの箱舟

神は、箱舟の正確な大きさと、その建造上の指示を明確にノアにお与えになりました。そして、人知では、こうした頑丈で耐久性のある建造物を考案することは不可能でした。神が設計家で、ノアが建築家でした。

あけぼの上90-92
「…洪水の起こる一二〇年前に、主は天使によってみこころをノアに伝え、箱舟を造ることを指示された。ノアは、箱舟を造りながら、神が洪水によって悪人を滅ぼされることを説かなければならなかった。…箱舟を建造するために用いられた材木はいとすぎの木で、それは、数百年たっても腐らないものであった。この巨大な建造物の工事は遅々として進まず、ほねのおれる仕事であった。樹木の大きさとその質の関係上、当時の人々は、そのはるかにすぐれた力をもってしても現在の製材よりも非常に労力が多くかかった。工事の完ぺきを期するために、人力のかぎりが尽くされた。しかし、箱舟は、やがて地をおそう暴風雨に、それだけでは耐える力はなかった。荒れ狂う水の上で、神のしもべたちを守ることができるのは神だけであった。」

あけぼの上96
「罪深い人類に対するあわれみの訴えはやんだ。野の獣と空の鳥は避難所にはいった。ノアと彼の家族は、箱舟にはいった。そして「主は彼のうしろの戸を閉ざされた」(創世記7:16)。目がくらむ光がひらめき、いなずまより明るい栄光の雲が天から下って、箱舟の入り口の前にただよった。内側にいる者では閉じることのできない巨大な扉が、目に見えない手で静かに閉ざされた。ノアは、内側に入れられ、神のあわれみを退けたものは閉め出された。その扉の上には、神の印が押された。神がそれをおしめになった。だから、ただ神だけがそれをあけることがおできになるのである。

そのように、キリストが天の雲に乗ってこられる前に、罪深い人間のためのキリストのとりなしは終わり、恵みの扉は閉ざされる。そうすると、神の恵みは、これ以上悪者を抑制しなくなるので、サタンは、恵みを退けた人々を完全に支配する。彼らは、神の民を滅ぼそうとする。しかし、ノアが箱舟のなかに閉じこめられたように、義人は、神の力に保護される。」

あけぼの上98
「風が容赦なく吹きつけ、大波にほんろうされるたびに、巨大な箱舟はすみずみまで震動した。内部の動物たちは、恐怖と苦痛の叫びをあげた。しかし、暴風雨の最中でも、箱舟は安全に浮かんでいた。すぐれた力をもった天使たちが、箱舟の保護を命じられていた。」

あけぼの上95
「彼らの猶予の期間は、まもなく終わろうとしていた。ノアは、神からの指示に忠実に従っていた。箱舟は、主のさしず通りにすべてのところが完成し、人間と動物の食糧が貯蔵された。そして、今、神のしもべは彼の最後の厳粛な訴えを人々にした。彼は、言葉では表現できない心の苦しさをもって、避難所があるうちに救いを求めるように訴えた。彼らは、またもや彼の言葉を退け、ののしりとあざけりの声をあげた。突然、あざける群衆は沈黙した。最もおとなしい動物も、最もどうもうな動物も、あらゆる種類の動物が一様に山や森から箱舟に向かって静かに進んでくるのが見えた。突風のような音が聞こえたので、見ると天を暗くするほどの多くの鳥類が四方から群がってきて、秩序正しく箱舟の中にはいった。人間は従わないのに、動物は神の命令に従った。」

Ⅲ. もう一つの箱舟

マタイ24:37 「人の子の現れるのも、ちょうどノアの時のようであろう。」

※我々の時代に箱舟は必要だろうか?
ノアの時代、洪水から救われるために神様が箱舟を用意されたように、今日、迫りくる危機のために、それを逃れる手段を用意していないでしょうか。

1.神様は終わりの時の三つの異なった期間において、三つの異なった方法で私たちを助けてくださる。

①再臨の時
千々万々の天使を引き連れて、荒廃した地上から直接天に引き上げてくださる。

②大いなる悩みの時
天使を送って養ってくださる。エリヤの時のようにカラスを送ったり、必要ならばマナをも降らせる。

③小さな悩みの時
田舎に行き、自ら食料を作れるようにしなさい。

あけぼの上92
「『信仰によって、ノアはまだ見ていない事がらについて御告げを受け、恐れかしこみつつ、その家族を救うために箱舟を造り、その信仰によって世の罪をさばき、そして、信仰による義を受け継ぐ者となった』(ヘブル11:7)。ノアは、世に警告の使命を伝えるとともに、その行為によって、自分が真剣であることをあかしした。こうして彼の信仰は完成され、明白に示された。彼は、神が仰せになったことを、そのまま信じる模範を世に示した。」

生き残る人々78
「彼はただ説教するばかりではなく、箱船の建造という手本を通して自分の説教していることを自ら信じていることを、全ての人々に確信させねばならなかった。…箱船のつち音一つ一つが民に対する説教であった。人々が驚きあきれて彼を見、狂人呼ばわりしている中で、彼は指揮し、説教し、働いた。」

セレクテッドメッセージ第2巻141
「労働組合の支配力が非常に圧制的になる時が目の前に近づいています。繰り返し、繰り返し主は『我が民が家族を都市から連れ出し、いなかに行き、そこで家族のため自ら食料を作れるようにしなさい。なぜなら、将来売り買いの問題が非常に問題になるからです。』」

AFLCIO エーエフエルシーアイオー AFL-CIO
【AFL-CIO】[American Federation of Labor and Congress of Industrial Organizations]

デジタル大辞泉の解説:
《American Federation of Labor and Congress of Industrial Organizations》米国最大の労働組合中央組織。1955年、AFL(米国労働総同盟)とCIO(産業別組合会議)が合同して結成。米国の組織労働者の約8割が加盟。米国労働総同盟産業別組合会議。

教会への勧告 上128
「われわれは、終末の預言が成就するまで、それについて何も言わずに待つべきであろうか。
その時が来たら、われわれの言葉は、どれほどの価値があろうか。われわれは、神の審きによる災いが罪人の上に降るまで待って、それを避ける方法を告げるのであろうか。神のみ言葉に対する、われわれの信仰は、どこにあるのか。預言された事が実現するのを見なければ、彼が言われたことを信じないのか。光は非常に明瞭に、われわれを照らし、エホバの大いなる日が「戸口まで」近づいていることを示している。遅過ぎないうちに、読んで理解しよう。」

今朝のポイント

①「ノアは、世に警告の使命を伝えるとともに、その行為によって、自分が真剣であることをあかしした。
②クリスチャンの奉仕379
「みわざを成功させるものは人々から出た力ではない。みわざを完成させるものは、人間と共に働く天使たちの力である。パウロなる人が植えつけ、アポロなる人が水をかけるかもしれない、しかし 、成長させるものは神である。人間には神のなされるわざをすることはできない。人間として彼は 聖天使に協力することはできるであろう。そして単純に、柔和に最善をつくし、神が偉大な主なる働き人であられることを認めなさい。」

※片手に聖書を持ち、片手にくわを持って証しをする。

関連動画:
ノアの箱船


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義認-聖化-完全